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読了:ジェリーフィッシュは凍らない (The Jellyfish Never Freezes), 市川憂人 [読書日記]

* ジェリーフィッシュは凍らない (The Jellyfish Never Freezes), 市川憂人, 東京創元社, 9784488406219

2016年に鮎川哲也賞を受賞した本格ミステリである。市川作品は初読。
帯紙には「そして誰もいなくなった」「十角館の殺人」と、ミステリ好きの目を引く単語が並ぶ。これだけ煽られたら、版元の策略だろうとは思いつつも読まずにはいられないでしょう。

目次を見ると、舞台は1980年代のようだ。数日間の時間差をおいて過去と現在をいったりきたりしながらストーリーが進む様子。ほほぅ、携帯電話がない時代なわけねー、などと思いながらページをめくっていくのだが、どうも聞いたことのない画期的航空技術が普通に描写されている。過去とみせて実は未来の話じゃないよなぁと思いながら読み進めていくと、この技術以外は、どうやら我々の知っている1980年代であるようなのだ。SF読みでもある自分としてはなかなか面白い設定。ちなみに携帯電話網に限らず、30年後には実用化されているいくつかの技術が当時は使えない、という趣旨の説明がところどころで挿入される(若い読者向けの作者の親切心だろう)。

そうこうしているうちに、登場人物たちの性格やら関連性の描写が進み、そしてなんとなく予想していた形で第一の死人が登場。帯紙のオマージュからいくと連続殺人が勃発するはずだが・・・と思う間もなく二人目が死亡。並行してもう一方の時間軸でも事実関係が少しづつ明らかになっていくのだが、しかし両者には微妙な齟齬・・・、といった形で、話が進むにつれ着々と謎が謎を呼ぶ展開。

・・・で、読み進めながら「あれ?」と思うポイントもいくつか出てくるわけだが、それは驚愕の結末へのお楽しみなのである・・・。

いやはや~。もう本当にしっかり読み直しましたよ、あちこち拾いながら。しかも拾うべき観点が1つじゃない。もっとも、帯紙の惹句に引きずられて、実は〇〇は〇〇してないんじゃ?とか、〇〇できないというのは盲点があって実は?とか、頭の中が脇道へ逸れたのは私だけではないはずだ。

楽しめました。しかしまだこんな形が残っていたんですね。本格ミステリ恐るべし。

ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫)


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