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読了:鍵の掛かった男, 有栖川有栖 [読書日記]

* 鍵の掛かった男, 有栖川有栖, 幻冬舎, 9784344426511

火村英生ものの長編ミステリである。2015年の作品。文庫化は2017年で、発売当初に買って1年以上積読になっていたもの。文庫で700ページ超もある大作なので大事にとっておいたら次のがでちゃったので慌てた、という状況。

物語は作家・有栖川が重鎮の作家から相談事を持ち掛けられるところから始まる。火村シリーズはおおむね事件が起きたところから始まることが多いので、なんだこりゃと素直な読者は思うわけだが、ストーリーはここからちゃんと始まっている。
いろいろな経緯もあって、アリスは単独で事件(?)の真相を探る活動を開始するのだが、この捜査があっちへいったりこっちへいったり。読んでいる側としてはちょっとイライラが募る。大阪の地理や歴史にはそれほど深い造詣はないし、それほど関西への思い入れもなあ・・・と思いつつも、とにかくアリスの活動報告に身を任せていくしかない。
本の厚さでおおよそ半分を過ぎたあたりで真打・火村先生登場。そして真実はついに明らかに・・・という展開である。

驚きの結末まで読み終わっての感想ですが、まぁ楽しめました、というところ。

これまで火村ものというと、快刀乱麻を断つ推理でばっさり、というイメージが強いのだが、本作はどちらかというと地道にアリスが情報を集めて回る(のと絡めた大阪やその周辺の地勢や歴史や町の風物の描写)を楽しみましょうという趣向に重きが置かれている感じがするのだ。
ミステリのストーリとしてみた場合も、これはどう贔屓目に見ても「本格」ではなく、アリスの視点で捜査の過程を追体験する読書、という様相。これがクロフツ作品ならさもありなんというところですが・・・。

というわけで、面白いミステリ小説ではありますが、ちょっと(こちらが勝手に)期待したものと違った、という話です。もう10年もすれば、有栖川有栖の転換点となった作品!などと喧伝されるのかしらん?

鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)


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