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読了:11文字の殺人, 東野圭吾 [読書日記]

* 11文字の殺人, 東野圭吾, 光文社, 9784334712549

東野圭吾の初期のサスペンス系ミステリ長編。

書かれたのが1987年ということで30年余り前である。当たり前だが、現在だれもが持っているあのガジェットは登場しないし、「ワープロ」なんていう古語も登場するが、テクノロジー系のネタや小道具はあまり盛り込んでいないストーリーなので古典として違和感なく読める。

表題の11文字とは、「無人島より殺意をこめて」という11文字。以前に無人島でおきたとある事件が発端となって、語り手である「あたし」の周りで事件が次々に起きるのだ。女流推理作家でもある「あたし」は、自分の担当編集者でもある旧友の冬子と謎の解明に乗り出すのだが・・・という話。

読み終えて、ちょっと凝ったトリック(90年代以降は定番になってしまった感もありますが)が施されていたりして、おぉーと思ったラストの謎解き。
で、そこは良い感じなのですが、どうも登場人物の動きというか雰囲気がすごく作り物めいていて、舞台で上演されている推理劇を観客席から鑑賞しているような気分になったのが残念なところ。なんとなく、女性の登場人物のせりふのテキストが、わざとらしい女性言葉になっているのがひっかかったようにも思える。地の文で「あたし」と呼称するのは、なにかの仕掛けかなあなどと受け止めたけれど、女性同士の会話で「~だわ」とか「~のよ」「~わよ」「そうよ」などなどの連発。以前に二階堂黎人の~マジックシリーズでも同様のことを思ったのだが、1980年代の若い女性ってこういう言葉づかいでしたっけ?(もう忘却の彼方です。)

解説では宮部みゆきが絶賛しているのだが、時代を経たせいなのか、ちょっと共感できず。伏線とかトリックはいろいろ工夫はある感じなのですが、本質的にいわゆる本格ではなくサスペンスだから、だったのかもしれません。「新本格」より前ですし、いわゆる時代の話なんでしょう。

11文字の殺人 (光文社文庫)


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