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読了:猫のゆりかご (Cats Cradle), カート・ヴォネガット・ジュニア [読書日記]

* 猫のゆりかご (Cats Cradle), カート・ヴォネガット・ジュニア, 伊藤典夫, 早川書房, 4150103534

古典SFである。1963年の著作、和訳は1979年。
先日読んだミステリで本書がモチーフとして引用されていたのだが、存在すらまったく知らなかったので入手したもの。

その内容は、背表紙などによると「世界の終末を描いたSF長編」。そういわれると「渚にて」などを思い浮かべるわけだが、目次をみるとそういう雰囲気では全くない。うう~んと思いながら読み始め、読了して、、、これは世界の終末を描いたユーモア小説なのでは?と思った次第。

登場人物たちはどの人もユニーク(?)な人ばかりで、その言行もまぁそれなりにはちゃめちゃ。ものがたりのカギとなる某博士に限っては、ステレオタイプに描かれる超専門的科学者という感じでわかりやすいのだが。また、博士が見出した「アイス・ナイン」なる結晶も、現実性はともかくとして原理はわからないでもない。

・・・なのですが、それ以外の、宗教的な観点が絡んだり、植民地の歴史が影響したりするストーリー展開は、ついていくのが精一杯。このあたりはヨーロッパ人と日本人の歴史的背景の知識や理解の差によるものなのかもしれない。解説氏も少し触れているが、元ネタを知らないとクスッとすら笑えないあたりがちょっと辛いですね。

(ちなみに翻訳で一か所だけ。「電動発電機」は、誤訳というよりそもそも意味がおかしいでしょう。原文はおそらく"electric generator"、つまり単に「発電機」ですよね(笑)。もちろんmotor generatorという「電動発電機」もありますが、例えば交流モータで直流発電をするためのものであって電源がないと意味がない。)

猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)


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読了:不都合な真実 (An Inconvenient Truth), アル・ゴア [読書日記]

* 不都合な真実 (An Inconvenient Truth), アル・ゴア, 枝廣淳子, 実業之日本社, 9784408553931

10年前のベストセラー本の文庫化。超有名な地球温暖化問題の啓蒙書である。

10年前(2007年)に結局手に取る機会がなかったのだが、文庫化ということで10年前の話を現状にあてるとどうなるのかという興味もあって、気軽に購入。本書は手に取ってみるとかなり厚いのだが、中身は図表、特に写真が多いので速読可能。文章量としてもっとも多いのは、ゴア氏のエッセー調の部分のようで、そこを斜め読み(それが正しいかどうかは別にして)すれば、他をじっくり睨んでもかなり短時間で読める。

内容はというと、時事問題として読めばもう10年も前の話で、いまさらということになる。同氏の新刊もちょうどでているようなので、最新情報を追いたいならそちらを手に取るべきだろう。これを読む意味としては、10年前の最新情報はこんな内容だった、というのを改めて認識するというところにつきる。逆に見れば、10年前に地球温暖化問題がおかれていた状況から、現在の状況がどれだけ変わった/進展した/後退したのか?という観点でも読める。

ちゃんとリファレンスもついているので、多少なりとも環境問題に興味があるのであれば、史料として蔵書しておくのは悪くない。

不都合な真実 (実業之日本社文庫)


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読了:ペガサスの解は虚栄か? (Did Pegasus Answer the Vanity?), 森博嗣 [読書日記]

* ペガサスの解は虚栄か? (Did Pegasus Answer the Vanity?), 森博嗣, 講談社, 9784062940900

森博嗣のWシリーズ第7弾。舞台はインド。大富豪の豪邸にへ例によって情報収集に訪れたハギリ博士一行、またまた謎が謎を呼び、そして(ドンパチ!)という流れである。たぶん今回のテーマは:人間は人間を作り出してよいのか?

個人的には、博士のボディガードを務める面々がちかごろゆるくなってきているよなぁ、とか、ミステリじゃなくてSFなので構わないはずなのだが最後のオチがちょっとなぁ、とか、いろいろと気になる点はある。ペガサス君のおかれている状況もちょっとわかりづらいし。

ともあれ、Wシリーズもほかのシリーズと同様、最後まで目を離さないでいるしかないのかも、という気がしている。


ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity? (講談社タイガ)


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読了:サイタ×サイタ (EXPLOSIVE), 森博嗣 [読書日記]

* サイタ×サイタ (EXPLOSIVE), 森博嗣, 講談社, 9784062936576

森博嗣のXシリーズ第5弾。
今回はストーカにからむ張り込みの話と、ガソリン発火装置の話である。
いつもの探偵社?の面々が謎の人物からの依頼に基づいて張り込みをしているシーンから始まり、張り込み対象の奇矯な行動やらに読者は翻弄されている間に、そして殺人事件が、、、という展開である。

爆発と発火の違いという一般人にはどうでも良い話を真鍋君が一生懸命説明するところは笑ってしまった。彼は美大生という設定なのだが、いわゆる理系な性格なんでしょうね。(ちなみに危険物取扱者の資格を持っていると、両者は厳密に考えたくなります。笑)

解説で香山リカ氏も書いているが、本書は結末で謎がすべて解けてすっきり!という構成にはなっていない。標準的なミステリの読者としては、読み終えてだいぶストレスがたまる。これを深い話とみるか面白くない話とみるかは、たぶん読者によるだろう。
Xシリーズ全体として見て、最後にどう評価することになるか、になりそうです。

サイタ×サイタ EXPLOSIVE (講談社文庫)


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読了:1分間ドラッカー<最高の成果を生み出す77の原則>, 西村克己 [読書日記]

*1分間ドラッカー<最高の成果を生み出す77の原則>, 西村克己, SBクリエイティブ, 9784797363043

マネジメントといえばドラッカー。
その名言というか、思想のエッセンスを1項目1分でわかるように凝縮したという本。77項目が掲載されている。

見返しはいきなり「成果を上げる人はもっとも重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない。」
なかなか心にしみるご指摘から始まる。

つづく前書きには著者の好きな項目が2つピックアップされていて、いわく
「いかなる優れた部分最適も、全体最適には勝てない」
「世の中の変化を止めることはできない。しかし変化の先頭に立つことはできる」
これらもなかなか厳しいご指摘であります。

77項目、なかなか全部頭に入れるというわけにはいかない。
ひとわたり読んだなら、常に手元に置いて、折りに触れ開いて再度読んでみる使い方がよさそうだ。

1分間ドラッカー 最高の成果を生み出す77の原則


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読了:怪盗グリフィン、絶体絶命 (The Caribbean Ring Finger), 法月綸太郎 [読書日記]

* 怪盗グリフィン、絶体絶命 (The Caribbean Ring Finger), 法月綸太郎, 講談社, 9784062779098

法月綸太郎の怪盗グリフィンシリーズ1作目。
NYを拠点とする怪盗、ジャック・グリフィンが活躍する冒険ミステリである。帯紙には「超本格ジュヴナイルだ!」などと宣伝文句が踊る。数年くらい積読になっていたのを掘り出して読了。

古典ミステリ「怪盗ニック」シリーズをほうふつとさせる義賊的な怪盗が主人公。あやしげな依頼~名画のすり替え~を引き受けるのだが、実はそれは巧妙な罠であり、某国家機関のこれまたあやしげな作戦に巻き込まれた怪盗はカリブ海の某国へと赴くのだが、そこで面倒な事件が・・・という話。

基本的に冒険活劇調なので、読者は定められたストーリーに従ってドキドキワクワクしながら読み進めればよいようになっている。ものがたりも終盤になると、いろいろと都合の良い偶然も重なり、怪盗自身の少々超人的な活躍もあり、事件はいちおう解決の方向に向かうのだが、しかし法月はそのままでは終わらせないのだ。

前述のように本作はあくまで冒険ミステリという作りで、決して本格ミステリなどではない。
そのあたりを踏まえてストーリを楽しめばよいのだと思う。
それにしても近年の法月はだいぶ作品の幅を広げていますね。そろそろ本格ミステリも読みたいのですが。

怪盗グリフィン、絶体絶命 (講談社文庫)


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読了:水族館の殺人, 青崎有吾 [読書日記]

* 水族館の殺人, 青崎有吾, 東京創元社, 9784488443122

「平成のエラリークィーン」青崎有吾による第2長編。例によって、読者への挑戦が挿入されている本格ミステリである。
本作はいちおう独立したミステリになっているが、登場人物たちの色付けやら面白ネタなどを十分に楽しむには、第1長編の「体育館の殺人」を先に読んだほうがベターだろう。

今回の事件の舞台は、横浜は根岸エリアの歴史ある水族館(ちなみに現実のこのエリアには市民プールはあるが水族館はないので、立地は創作と思われる)。この館内にある巨大水槽で衝撃的な事件が勃発、そしてそれは明白に殺人だという。なるべくして生じたクローズドサークル内には老若男女の容疑者11名。アリバイ崩しから着手した県警の捜査は次第次第に行き詰まり、そして・・・ということで探偵役のお出ましとなるのである。

シリーズの特徴だと言えるが、テンポよく進む物語に、軽妙(というより単に軽薄?)な会話や行動の数々。途中でアリバイトリックが明らかになるのだが、それにより謎は再度深まるという流れ。そしてそして、関係者を一堂に集めての解決編、と。

前作でも感じたことだが、色々と強引な設定であったり、都合の良い偶然により犯罪が成り立っていたり、そのあたりは少々気になるところではある。しかしまぁ、本作の場合、細かいところは多少目をつぶって、ミステリを楽しみましょうという気分で読んでよいのではないかなぁと。個人的には、読んでいる途中ずっと楽しめました、という感想です。

水族館の殺人 (創元推理文庫)


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読了:ヒトラーとナチ・ドイツ, 石田勇治 [読書日記]

* ヒトラーとナチ・ドイツ, 石田勇治, 講談社, 9784062883184

タイトル通りの現代史解説本。友人からの紹介で購入。

ヒトラーが政権を取ることになるずっと以前から時代ごとにその足跡をたどり、どういう思想や経験が背景となってヒトラーをヒトラーたらしめたのかを解釈しようとしているという感じだ。そして、ドイツの市民(のうち9割ほどを占める非ユダヤ系白人)が、なぜ保守的な道を捨ててヒトラーに賭けたくなったのか(もしくは、なぜヒトラー個人が主導権を持つ社会でもいいよねと思うようになったのか)を、当時の社会的経済的背景から探ろうという感じである。

著者の解釈によると、①国が経済的に困窮することにより、②その国を構成せしめる市民の良識をおかしくする、という。
もしこれが正しいのだとすると、人類は根本的にはどうやったってそこから抜け出せないのかも知れないなぁ、と暗鬱たる気分にもなる。(日本の市民層への調査では、現状満足度が上がっているという報道を読んだばかりでありますが。)

ともあれ、歴史が苦手、世界史は特に苦手、その中でも現代史はさらに苦手な自分にとっては、お蔭様でだいぶ勉強になりました、というのが実は本音です。


ヒトラーとナチ・ドイツ (講談社現代新書)


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読了:怪奇小説傑作集1&2 (英米編), アルジャーノン・ブラックウッド他 [読書日記]

* 怪奇小説傑作集1 英米編1, アルジャーノン・ブラックウッド, 平井呈一, 東京創元社, 9784488501068
* 怪奇小説傑作集2 英米編2, ジョン・コリアー, 宇野利泰、中村能三, 東京創元社, 9784488501075

創元が1960年代に編んだ怪奇小説のアンソロジー。そのうち英米の作品を集めた2分冊がこれである。
いずれも2006年に活字を組みかえて新版となっている。

いわゆる推理小説は大量に読んでいるが、怪奇ものはあまり食指が動かず、これまでほとんど読んでいなかったのだが、とある作品に引用されているのを読んで、ひとさらい読んでおかないといけないのではと思い立って手に入れたもの。2冊まとめて一気読みをしたわけですが、、、これがかなり辛い経験でした。

有名、というより以前なにか別のアンソロジーで読んだことがある「猿の手」や、引用元にあった「炎天」など、ぞくぞくするような読後感の素敵な作品もある一方で、ポルターガイスト現象に登場人物がひたすら立ち向かったり、幽霊妖怪の類が現出するものなど、単なる怪談とそう違わない印象を残すものが多くて難儀した、というところ。

まぁそうは言っても教養として読んでおいたほうがよさそうな作品もあり、個人的な感想では玉石混交と思う。総じて、短い作品のほうが印象が良い。説明や描写がくどいと、現代の読者にとっては逆にリアリティがなくなってしまうような気がする。

英米編1: 幽霊屋敷、エドマンド・オーム卿、ポインター氏の日録、猿の手、パンの大神、いも虫、秘書奇譚、炎天、緑茶
英米編2: ポドロ島、みどりの想い、帰ってきたソフィ・メイスン、船を見ぬ島、泣きさけぶどくろ、スレドニ・ヴァシュタール、人狼、テーブルを前にした死骸、恋がたき、住宅問題、卵形の水晶球、人間嫌い、チェリピアン、こびとの呪

怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版] (創元推理文庫)


怪奇小説傑作集2英米編2 (創元推理文庫)


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読了:体育館の殺人, 青崎有吾 [読書日記]

* 体育館の殺人, 青崎有吾, 東京創元社, 9784488443115

青崎有吾の「〇〇館」シリーズの嚆矢、鮎川哲也賞の受賞作(つまりデビュー作)である。
青崎作品は(「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」を先に読んでいるので)これが2作目の読了。長いこと本屋の平積みは眺めていたのだが、いかにも青春ミステリでございといった感じの装丁に二の足を踏んでいたという状況。それを先日「五十円玉・・・」をひょんなことから手に取って、デビュー作へ舞い戻ってということなのだから・・・いや書店の平積みは侮れませんね。

舞台は神奈川県立風が丘高等学校(横浜市保土ヶ谷区にあると思われます。ってことは某・旧学区トップのK丘高校?)、登場人物は警察官数人をのぞくと全て高校生、という長編ミステリだ。冒頭でいきなりの殺人事件が勃発してものがたりは文字通り幕をあける。しかし現場は、広い意味での密室であったことが判明、唯一犯行の機会があったとされる生徒に嫌疑がかかるのだが・・・、という流れ。少々エキセントリックな探偵役が登場し、少々(かなり?)荒削りながら論理的説明の積み重ねをちゃくちゃくと進めていき、解決編の前に読者への挑戦まで挿入されるという、いわゆる本格ミステリ調なストーリ展開だ。

いや~これは楽しめました。登場人物たちの言動がいちいち面白おかしいのも作者の狙いにはまった感じだし、主要な登場人物はその色付けが明確なので読んでいて混乱したりすることもない。探偵役のマニアな話題はほとんど理解不能だが、それでいてなぜかクスッと笑える。

個人的には、犯人像のイメージ作りよりも密室の謎のほうが難しく、このトリック解法には思わずええぇ~と言ってしまったクチ。古典ミステリを読みつけている読者としては(フェル博士ではないですが)、なぜ犯人はそこに密室を作らねばならなかったのか、を誰も問題にしようとしないのが気になって仕方なかった。が、いいんですよ、とにかく最後まで面白く読めたので。次作への前ふりをちゃっかり入れておく作者の胆力にも感心しきりでした。

体育館の殺人 (創元推理文庫)


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